水影麻衣の真お釈迦様伝説水影麻衣の真お釈迦様伝説第1夜 はあぁーぃいー みなさぁん。水影麻衣でーす。みかげまいと呼んでね。 わたしは、火影さんの分身なの。 お色気の術を使う時、わたしが代わりに出て行くの。 今日は火影さんが元気がないので、しゃしゃり出てきちゃった。 今から代わりを務めるわね。よろぴく。 ☆☆☆ワタシガ\(^∀^)/スターよ☆☆☆ ワッハッハァ~♪ さて、本日は女性の味方デーよ。 女性とお釈迦さまの話をはじめるわ。「真お釈迦様伝説ね」 昔むかし、インドの北部、釈迦族の王スッドーダナの部屋。 「あなたの息子は4人の人物に出会う、そのため王子は出家し、あなたは跡継ぎを失うだろう」 預言者バラモンにこんなこといわれっちゃたんだ。 さぁ大変、せっかくお世継ぎが生まれたのに。失うといわれたのだから。 父親としても茫然自失。 「それでは4人の人物に出会わないようにしよう。」 涙ぐましい努力がはじまりました。 そして、王子シッダールタは、無事、思春期を迎える年齢まで成長しました。 スッドーダナ王は考えました。 「うーっむ、息子も毛が生えてきたし、色気づいてきおった。」 「いつまでも宮殿内にとじこめてはおけない。」 「女を求めて外出されたら元も子もないワイ。」 次の日から国中の美女が集められました。 「よいか、美女軍団諸君、王子をたらしこみ、宮殿以外の物事に興味を示すことのなきよう、王子を女の魅力でとりこにするのだ」 かわいそうに、純粋無垢な王子は毎日毎夜、むんむんするような脂粉の香りにつつまれ、おえぇっとなる毎日がつづく。 これって、精神衛生上よくないんじゃーない。 そう、王子は「ギャルコンコン」になっちゃったの。 「マザコン」とか、「ロリコン」とかあるでしょ。 だから、大きくなって、立派にになってブッダと呼ばれてからも、 「女性の外見に惑わせられてはならない、女性は汚物の入った袋」だっていうのよ、 失礼しちゃうわねぇ。 のちに、鬼子母神に対しても、冷たい態度をとっているでしょ。 それとか、出家しちゃって、妻帯を禁止したり。 煩悩だとかいって、本来の生き物として人間の欲望なんかを捻じ曲げちゃったのよ。 結果、女性蔑視の考え方につながっちゃたの。 日本に仏教が伝わって、本来女性上位の日本によ。男尊女卑の考えが根づいちゃったのよ。 手塚治虫さんの「火の鳥」を読むと、日本の土着の神々が、外来の仏教の神々に侵略される物語が出てくるよ。 私もまったく同意見なの。 もともと、この日本では、最高の神様は女性の天照大神でしょ。アマテラスオオミカミといって、八百万の神のトップなの。 あるいは魏志倭人伝に卑弥呼のことが載っているように、女王が出てはじめて治まるような国なのよ。男の王では国が乱れるのよ。 推古天皇だって、女帝じゃない。ちなみに日本の女帝は史実では8人いるの。 1 推古天皇 欽明天皇皇后・在位592~628年 2 皇極天皇 舒明天皇皇后・在位642~645 重祚して斉明天皇 在位655~661年 3 持統天皇 天智天皇第二皇女・天武天皇皇后・在位690~697年 4 元明天皇 天智天皇第四皇女・草壁皇子妃・在位707~715年 5 元正天皇 草壁皇子皇女・元明天皇皇女・在位715~724年 6 孝謙天皇 聖武天皇第二皇女・在位749~758 重祚して称徳天皇 在位764~770年 7 明正天皇 後水尾天皇皇女・在位1629~1643年 8 後桜町天皇 桜町天皇第二皇女・在位1763~1770年 以上のようなこと、知ってた? 明治になって、平塚らいてうとか与謝野晶子とか、「原始日本では女性は太陽だった」だったかな、日本本来の女性の地位復権を訴えたじゃない。 そのとおりよ。ちょっと遅かったけど。 この日本では、支配権は女性にあるの。わかった?。 ちょっと論点がずれっちゃったけど、いやこれでいいか。 残りはまた明日ね。バイバイ?!! ----------------------------------------------------------------- 第2夜 火影はコンビニで買い物中です。少し元気が出てきました。 さてと邪魔者じゅんこはいなくなったので、わたしの出番。 えっ? そんな人はいなかった。 そう、どうでもいいことね。 わたし? わたしは、もう一人の分身、「みかげまい」といいます。ただ影分身の術だから実体があるの。すごいよ。 ゆっくりできないの 火影様が帰ってくる前に終わっておかないと。 先をいそぐわ。 王子シッツダールタは、ギャルコンプレックスになって、 美女のことを、汚物の入った(皮の)袋だと例えましたね。 これは一面、あたっていると思うの。 いくら表面は綺麗な皮をかぶっていても、中身はわからないわね。見えないもの。 王子は確かに美女に囲まれました。しかしどうでしょう。そのなかに一人でも好きになった女性がいたのでしょうか。 そう、その中には、王子のこころを捕らえた女性はいなかった。 王子は恋をすることが無かった。 また王子を心から慕う女性も、その中にはいなかった。 いわば、王子をだれも満足させられなかった。 父親スッドーダナ王は人選をまちがえたのよ。 それはなぜだと思う?? 火影様の日記5月23日(真クレオパトラ伝説)にヒントがあるわ。 また、火影様のシェヘラザードちゃん(6月1・3・4日の日記)にもね。 要するに、王子は話を聞きたかったの、自分の好奇心を満足させる、自分の疑問に答えてくれる女性をさがしていたのよ。 そう、皮袋の外見だけでなく中身を求めていたの。 よく言うでしょ、美人は3日で飽きるって、ブスは3日で慣れるだったかな???。 王子も3日めで、きっと飽きちゃったのよね。 その点、クレオパトラやシェヘラザードちゃんはすごいね、3日どころか何年も釘づけにしたのだから。見習うべきね。 王子からみつめられたり、抱きしめられたりするとまでいかなくても、ただそばにいるだけで、皮袋の中から良い香りと共に、あまーい蜜がでるような、そんな中身を求めていたのだと思うわ。 モエ社長!見てますか。もっと自分に自信を持ってくださいね。火影様からの伝言です。 「・・・・・・みゃわおう」 今何か返事が聞こえた様な気がします。 さて、話をすすめます。 両親の涙ぐましい努力にもかかわらず、王子は予言どおり、問題の人物に出会います。 「あれはなんだ。手や顔がしわくちゃではないか。怪物か?」 「いえ、人間でございます、老人でございます。年を取ればみんなああなるのでございます」 「ほう、みんなとな、避けられないことなのか。」 「あれは何だ、顔色が悪く元気が無い、動けないのか」 「はい、病人でございます。」 「元気な健康な人はむしろすくないのか。大変だな」 「あれは、なんだ、棺を担いで、行列してる、なかのぞくと、おう、血の気がない、おまけに冷たくなって、ピクリとも動かない」 「はい、死人でございます。行列は葬式です」 「それは知らなかった。宮殿内ではなかったし。」 「あれは、何だ。ボランティアをしているのか。」 「はい、彼は、人々を救おうとしている僧でございます。」 「なんと、世の人々の苦しみを救うとな」 「私は何も知らず、美女に囲まれ、せまい宮殿内でぬくぬくと育ってきたのか。」 「知らなかった。」 初めて知ったこの世の苦しみ、現実、そして、その苦しみを救おうとする人々の存在。 多感な王子は、自分はなにをすればよいのかと、迷い始めました。 そして悩んだ結果。出家。 自分のできること、それは「苦しんでいる人々を救うこと」。 王子シッダールタは自分の進むべき道を見出したのです。 いや。見つけてしまったのです。 両親も、そして最愛の妻も子も、何もかも捨てて、自分の道へ、まっしぐら。 ある意味では、家庭崩壊、そして、跡継ぎのいなくなった、国、釈迦族の滅亡。 まさに悲劇です。 「ギー、カチャカチャ」 あ、火影様がお帰りになった。急いで、。゜.☆ ドロン! 「んっ、誰かがいたような気が」 (明日につづく) ------------------------------------------------------------------- 第3夜 あ、火影様がお帰りになった。急いで、。゜.☆ ドロン! 「んっ、誰かがいたような気が」 おかしいな、誰がいたのだろう? およよ、だれかが日記を書いてる。 ふむふむ、なるほど、これはいい、今からの本題の露払いだ。よし続きをかこう。 王子シッダールタが出家してから悟りをひらき、ブッダになり、涅槃、そしてその後についても、いろんな仏典もあるし、ここでは触れません。 手塚治虫さんも、作品に残しています。 王子シッダールタは何とか、両親の隔離方針に逆らって外界と接触し、4人の人物と出会うことによって、現実社会を知ったのです。生老病死と呼ばれる有名な話です。 これを現代に置き換えて考えてください。 私は神戸消防の現職時代、当時の市長に提案しました。 「二十歳の日、一日救急隊員のすすめ」制度化についてです。以下のその抜粋です。 ------------------------------------------------------ たとえば現代の若者の無軌道ぶり、自損行為(自殺)、殺人、傷害、けんか、盗みそのほか犯罪。 その大きな原因,誘因はなにか。 どうしたら防げるか、被害を軽減できるか? 結果として、 一つには、現実世界での経験不足が原因では? なるほど、ではここで、未経験の若者を救急現場に連れて行き、以下の体験をさせればどうなるでしょう。 目の前で交通事故の救助やリストカットの止血処置、ピストルの銃創、火災現場での焼死体の発掘、水死(どざえもん)の状況 アルコール中毒、脳内出血、心臓停止、老衰死、首吊り、高所飛び降り、はたまた列車への飛び込み、車両による海中への飛び込み、排ガス、沢山の人の命が失われる。 そして残された家族の悲しみ。 次に、出産。命の誕生の瞬間。 破水して、子供の頭が見え始め、くるッっと半回転して狭い通路をたくみに、一生懸命に世に出ようとする。お母さんもいきんで。押し出そうとする。後押しである。 救急車内で、よくあることだ。 無事出たあと、臍帯をクリップでとめる。切断は医師の仕事。 たいていはここで産声を聞くのだが、泣かない子もいる。呼吸しないのだ。 さあ、大変、みるみるチアノーゼとなり、赤ちゃんが青くなる。血の気が無くなっていく。ほっておけば死産となる。せっかく苦労して、世に出たのに。 のどに詰まった血塊・汚物を除き、足の裏をたたく、器具でぐりぐり刺激する。皮膚もたたく。 「ヒュー。フギャー。おっぎゃー」 第一声のあと、だんだん力強くなる。これで一安心。 この産声と共に、赤ちゃんは自分の肺に一杯空気を取り入れ、母体を離れ、みづからの力で呼吸をはじめるのである。同時に心臓と肺との血液の流れも切り替わる。 しばらくして役目を終えた胎盤が出てくる。 病院で赤ちゃんの体を洗い。母に抱かせ、初乳。父親もまじえ、ファミリーの誕生である。 ファミリー、英語では子供がいて初めてファミリーと呼ばれる。夫婦だけではファミリーとはいえないのだ。 一方では命が失われ、他方新しい命の誕生。 生老病死だけでなく、このようなことまで体験できるのが消防・救急隊である。 医師の仕事はその後になる。現場にはめったにくることはない。テレビドラマERなどはあくまで病院内での出来事にすぎない。 本当のドラマは現場にある。第一線に。 世の中全体が、このように命が失われて人は悲しみ、命が誕生して喜び、そして必死になって助けようとする消防・救助・救急隊、医師などの存在をもっと認識するなら、子供に教えるなら、現在毎日のように発生する事件、事故、悲劇を少なくできるだろう。 佐世保での小学生、おそらく、この毎日の日常の現実を知らなかっただろう。。 それを知らせなかった、教えなかったわれわれの責任でもある。 是非、新しく成人になる、一人前になろうとする若者に経験させてやりたい。 そうすれば、命を粗末にすることはなくなるだろう。自らの命も含めて。 スピードの出しすぎも、慎重になるだろう。 (火影はこの内容を事細かに実施計画まで作って提案したところ、賞状と金一封1万円を神戸市長から頂戴した。しかし、いまだに本格実施はされていない) --------------------------------------------------------------- 火影の定義する一人前の3条件とは 「命の大切さを身をもって知り、経験し、かつ救うことができること」 そのためには応急手当や人工呼吸、心肺蘇生術を身につけていなければなりません。 目の前で何か起こった場合、おろおろして手をこまねいていいのは、一人前でない半人前の人間だけです。子供だってできる子はできるのです。 皆さんは大丈夫ですか? 一人前の人間ですか? 子供が風呂でおぼれた場合、救えますか? 熱湯でやけどした場合どうしますか? どうしますか? おしまい。 |